バレー・ルー症候群とは
1925年から1928年にかけて、フランスのバレーとその門下生ルーによって発表された症例で、バレーが後部頸交感神経症候群として発表した後に、ルーがさらに症例をまとめたもので、その二人の名前からつけられた症候群です。
痛みに加えて、筋肉のこりや耳鳴り、そしてめまいなどの様々な症状が認められますが、それは首の損傷によって自律神経の交感神経が直接的に、または間接的に刺激を受けていることで発症していると考えられています。
画像診断では骨折・脱臼が認められません。
明確な診断は難しいとされており、自覚症状を主体として判断します。
そのため、心因性の影響によるのではないかという指摘にもつながり、後遺障害の等級の認定にあたっても、困難を伴う場合が少なくありません。
バレー・ルー症候群の症状
バレー・ルー症候群は、頭痛やめまい、耳鳴り、視障害、かすれ声、首の違和感、摩擦音、易疲労性、血圧低下などのいわゆる不定愁訴が症状となります。
頭痛は特に後頭部に最も強い痛みを感じる事が多く、めまいでは前庭器官の障害による症状を伴わない場合が多くあります。
視覚に違和感があっても、視力低下が認められず眼精疲労が原因ではないかと判断されがちです。
これらの症状の原因をバレーは、頚部交感神経の過緊張と解釈していますが、ほかにも、脳幹障害が原因とするものや、末梢前庭・内耳障害説などもあります。
バレー・ルー症候群は、その発生メカニズムについてはいまだに不明なうえに、心因性による影響も指摘され、医学的な証明はなかなかに困難といえます。
バレー・ルー症候群の治療
バレー・ルー症候群の特徴的症状は、受傷直後は現れにくく、交通事故後2~4週間ほど経過してからだんだん現れるのが普通と言われています。
一方、頚椎捻挫は3~6ヶ月で治癒すると言われるので、この期間を経過しても症状に良くなる兆しが見られない場合、バレー・ルー症候群と診断が下される場合もあります。
このような場合、受傷後しばらくしてからバレー・ルー症候群の治療が行われることになりますが、交感神経の緊張状態を緩和することが必要です。
脳の緊張をとってやり、ストレスを軽減させます。
手足の血流を改善することで、自律神経のバランスが整ってきます。
脳のストレスの軽減がないと、自律神経のバランスはすぐに崩れてしまいます。
せっかく改善させてもすぐに元の、バランスを崩した状態に戻ってしまうので、バレー・ルー症候群を早期に治すには必要な治療です。